プラリアの関節破壊抑制効果

目的

プラリアを抗リウマチ薬に追加して使用した際の関節破壊抑制効果を検証することを目的としています。

対象患者さん

・20歳以上
・1987年または2010年の分類基準を満たす関節リウマチ患者さん
・罹病期間が6か月以上かつ5年未満
・1つ以上の抗リウマチ薬により治療されている
・1ヶ所以上の骨びらんがある、または以下の基準を満たす
  a)CRP≧1.0mg/dL、b)血沈≧28mm/h、c)抗CCP抗体陽性またはRF>20IU/mL

方法

プラリアQ6M群:プラリアを6ヶ月毎に投与する
プラリアQ3M群:プラリアを3ヶ月毎に投与する
プラセボ群:プラリアを投与しない

 *ランダム化二重盲検比較試験

評価項目

主要評価項目:12ヶ月後のmTSSの変化
副次評価項目:6ヶ月後のmTSSの変化、6ヶ月後・12か月後の骨びらんスコアの変化、6ヶ月後・12ヶ月後の関節裂隙狭小化スコアの変化など

 *関節裂隙狭小化:骨と骨の間にある軟骨が壊されることによって骨と骨の間(関節裂隙)が狭くなること。

結果

プラリアQ6M群は228人、プラリアQ3M群には225人、プラセボ群には226人が割り当てられました。

主要評価項目である12ヶ月後のmTSSスコアの変化についてみてみると、プラセボ群1.49、プラリアQ6M群では0.99、プラリアQ3M群では0.72でした。ベースラインと12ヶ月後のスコアの変化を見ており、変化が大きいほど関節破壊が進んでいると解釈できますから、プラリアを投与している群の方が関節破壊の進行が少ない、と解釈することができます。Q6M群 vs プラセボ群、Q3m群 vs プラセボ群のいずれの比較でも有意差を認めます。

これは6ヶ月後の時点で見ても同様にQ6M群、Q3M群いずれもプラセボ群と比較して有意差を認めますので、6ヶ月後の時点でも関節破壊の抑制効果が見られている、と解釈できます。

mTSSのうち、骨びらんに関わる部分だけ取り出してみたスコアを見てみても、同様の結果です。6か月時点ではQ3M群のみがプラセボ群と比較して有意差を認めていました。

一方で、関節裂隙狭小化に関わる部分だけ取り出したスコアについては、プラリア群はいずれもプラセボ群と比較して有意差を認めませんでした。

また、関節リウマチの疾患活動性の指標に関しては、プラリア群はQ6M群、Q3M群いずれもプラセボ群と比較して有意差は認めませんでした。

有害事象

口内炎がデノスマブ群に多く見られた以外は、有害事象の発現は目立った差異は認められませんでした。