リウマチチェックシート
今回は文献の紹介ではなく、「リウマチチェックシート」をご紹介します。
これは、日本リウマチ学会と日本リウマチ友の会が協力して作成したものです。
まずは実際の用紙をこちらからご覧ください。
リウマチ患者さんが日常生活でどれぐらい困っているかを主治医に伝えやすくするために作成されました。
これを使って患者さんは、朝のこわばりや痛み、倦怠感がどの程度なのか、イラストを参考にしながら表現することができます。これを主治医の先生に見せることで、主治医の先生にとっては患者さんが日常生活にどれぐらい困っているのか理解しやすくなります。
関節リウマチの治療方針を決めるためには、まずリウマチの病勢を評価する必要があります(詳しい病勢の評価の仕方はこちら)。これは血液検査の炎症の値(CRPや血沈)だけを見て評価するものではありませんし、関節所見だけを見て決めるものでもありません。様々な症状・所見を総合的に判断して決めますが、その判断材料に、患者さんがどれだけ日常生活に困っているか、患者さんがどう思っているか、というものも含まれています。これを主治医が理解するためには、患者さんと主治医の十分なコミュニケーションが欠かせません。
日本の医療事情の下では、主治医と患者さんとの間のコミュニケーションが不足していると私は常々思っています。当院を受診する方は、忙しい主治医の先生に気を遣ってなかなか困りごとや不安なことを相談できない、という方が多いです。限られた時間の中でコミュニケーションをとるのは難しいですが、このチェックシートは一つの助けになると思います。