膠原病をお持ちの方の妊娠・出産

今回は、膠原病をお持ちの方の妊娠や出産についての話題です。

妊娠や出産する方を診るのは主に産婦人科の先生ですが、妊娠・出産をする方が基礎疾患を持っている場合、産婦人科の先生は専門ではないことが多いです。そういった場合、基礎疾患はそれに応じた内科医が診ます。とは言っても基礎疾患をお持ちの方はもともと内科にかかっていることが多いと思いますので、主治医に引き続き診てもらうことになります。

しかし、妊娠中には体に様々な変化が起こり、妊娠によって基礎疾患への影響も起こり得ます。基礎疾患を持っている主治医も妊娠・出産と基礎疾患の関連をしっかり把握しておく必要があり、この分野を母性内科といい、最近注目されている分野です。

私たちが診療するのは、関節リウマチや全身性エリテマトーデス、高安動脈炎などの膠原病をお持ちの方の妊娠・出産です。

しかし、こういった病気を患ってしまうと妊娠・出産は諦めなければいけない、と誤解してしまう方も多いです。確かに注意しなければいけない点は多いですが、妊娠・出産可能な方のほうがむしろ多いです。

では、どのような点に注意しなければいけないでしょうか?病気を持っていてもどういう状態であれば妊娠・出産できるのでしょうか?どのような薬が飲んでいても大丈夫でしょうか?

こういった疑問はよく持たれると思います。こういった疑問に答えてくれるのが、厚生労働省研究班が作成した治療指針です。一見、難しそうですが患者さん向けに作られたQ&Aがあり、非常に参考になります。妊娠・出産に向けたチェックリストもあります。妊娠・出産が可能な年齢の膠原病患者さんは是非一度ご覧ください → 「全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、若年性特発性関節炎(JIA)や炎症性腸疾患(IBD)罹患女性患者の妊娠、出産を考えた治療指針

妊娠・出産は人生において非常に大きな通過点です。病状によっては妊娠可能な状態になるまでに時間がかかることもあります。ですので早めに主治医に相談しておくことが重要です。私は、そういった年齢の患者さんには必ず初診の際に必ず、何歳ごろに妊娠したいか、お子さんは何人ほしいか伺うようにしています。まだ数年後だから今はいいや、と思わずに主治医の先生と早めに相談しておきましょう。

関連記事

妊活は何歳までに始めなければいけないか?
妊娠中の関節リウマチ活動性低下に寄与する因子
妊娠がSLEに与える影響

今後のブログ更新頻度について

ここまで週に1回の頻度で新しいブログ記事をupしてきました。これで約1年になります。今後は更新頻度を少しペースダウンします。2〜4週間に1回程度の更新頻度となる予定です。更新の際には下記の通り各SNSでお知らせします。引き続きご愛読をお願い致します。

*当院では、ホームページのブログなどで定期的に情報を発信しています。LINE公式アカウントやFacebook、Twitterなどをフォロー(友だち追加)して頂ければブログなどの更新情報を受け取ることが可能です。ページ下方のボタンから是非フォロー(友だち追加)をお願いします。

ブログ記事一覧へ戻る
トップページへ戻る