エンブレルの減量・休薬

先月ですが、高浜市役所を通りがかったときに写真を撮ってきました。高浜は瓦で有名なところですが、瓦と鬼滅の刃がコラボしたようです。高浜市役所の入り口の横に飾ってありました。何でもかんでも流行りものに乗っかるのは好きではありませんが、こういう伝統のあるものと新しいものがコラボするのはいいですよね。

さて、今回は生物学的製剤の減量・休薬についての話をします。

この20年は関節リウマチの分野では劇的な変化がありました。メトトレキサート(以下、MTX)と生物学的製剤がキーワードです。これらの登場により関節リウマチを寛解に持ち込むことが可能になりました。そして、早期に活動性を押さえ込めば、関節の変形を来さずに維持することも可能になりました。

医学は常に次へ次へと進歩していきます。生物学的製剤で寛解に持ち込むことができるようになったら、次はその生物学的製剤をやめる、もしくは減量することはできないかと考えました。生物学的製剤の難点は高価であるところです。3割負担でも月額4万円近くの出費になります。これがずっと続くと考えると相当な出費です。ある一定の期間使って、その後やめられるのであればそれにこしたことはありません。

今回紹介する論文は、生物学的製剤であるエンブレル(一般名:エタネルセプト、TNFα阻害薬)の減量・休薬について検討したPRIZE試験です。

 引用元:N Engl J Med. 2014; 371: 1781

目的

MTXとエンブレルによって寛解を達成した患者さんにおいて、エンブレルの減量・休薬を検討する。
 *寛解などの活動性の評価の仕方は過去の記事をご覧下さい。

対象患者さん

成人の関節リウマチ患者
DAS28≧3.2以上の活動性を有する(中疾患活動性以上)
発症から12ヶ月以内
MTXや生物学的製剤による治療歴がない
→まとめると、発症早期で治療歴がなく、活動性が高い患者さん、ということです。