ANCA関連血管炎に対するステロイドフリー治療に向けて

まとめ

ステロイドを使用しないアバコパン群は、ステロイド群に対して優越性は認めないものの、効果は劣らないことが証明されました

ただ、ステロイドを使用しないとは言うものの、アバコパン群でも87.3%と多くの人で何らかの形でステロイドを使用しているので、全く使用しない、というのはまだ難しいのかもしれません。しかしそれでもステロイドの使用量はステロイド群に比べれば少ない量で済んでいます。

また、もう1点注意が必要なのは、ステロイド群のステロイドの使い方を見てみると、比較的急速に減量しているので、現場で行われている使い方よりも再燃は起こりやすいと思います。

有害事象について見ると、血管炎の悪化を除いた重大な有害事象の発生率はステロイド群のほうが33%高いという結果でした。ただし、やはり感染症には注意が必要ですし、本文には書きませんでしたが肝機能障害にも少し注意は必要かもしれません。

ステロイドを使用せずに済む素晴らしい治療が登場したと無条件で喜べる状況ではまだありませんが、それでもステロイドフリーの治療に向けての第一歩という意味では非常に有意義で明るい話題だと思います。

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