アクテムラの効果:メトトレキサート併用vs非併用

今回も引き続きアクテムラに関する論文のご紹介です。

前回は、アクテムラは単剤でも効果が高いということをご説明しました。今回は、アクテムラ単剤(メトトレキサート非併用)とアクテムラ・メトトレキサート(以下MTX)併用とを比べたものです。
 *前回の記事はこちら

前回ご紹介した論文で、アクテムラは単剤で非常に高い効果があるということがわかりました。従って、間質性肺炎があったり、メトトレキサートの副作用のためにメトトレキサートが使えない患者さんではアクテムラをよく使います。そこで次に考えるのは、単剤でこれだけの効果があれば、更にメトトレキサートが併用できたら効果はどうなるのか、というところです。

これを検証したのが、今回ご紹介するSURPRISE試験です。

引用元:Ann Rheum Dis. 2016; 75: 1917

目的

MTXによる治療で効果不十分であった場合に、アクテムラを追加してアクテムラ+MTXで治療をするのがよいのか、MTXを中止してアクテムラ単剤に切り替えるほうがよいのかを検討しています。

端的に言うと、アクテムラ単剤がアクテムラ+MTXに劣らないことを証明したい、という試験です。

対象患者さん

20歳〜75歳
1987年の基準で関節リウマチと分類(≒診断)されている
中〜高疾患活動性(DAS28≧3.2)
MTX≧8mg/週を8週間以上投与されている
→要は、MTXで治療したにも関わらず低疾患活動性・寛解に至らなかった患者さんを対象とした、ということです。