アクテムラの効果

今回はアクテムラという生物学的製剤の効果についてのご紹介です。

アクテムラは炎症に関するシグナルであるIL-6という物質を抑えることによって炎症を鎮める薬です。

アクテムラは日本で、しかも私の母校で開発された薬で、少なからず愛着があります。しかし、そういったことを抜きにしてもとても良い薬だと私は思っています。その理由を今回から何回かに渡ってご紹介していきます。

今回ご紹介するのはSAMURAI studyという試験の論文です。日本人の患者さんを対象にした試験です。

 引用元:Ann Rheum Dis. 2007; 66: 1162

目的

1剤以上のDMARD(抗リウマチ薬)を投与しても効果不十分な関節リウマチに対して、アクテムラ点滴単剤治療と既存治療の効果を比較したものです。

対象患者さん

20歳以上
1987年の基準で関節リウマチと分類(≒診断)されている
罹病期間は6ヶ月以上かつ5年未満
圧痛関節数が46ヶ所中6ヶ所以上、腫脹関節数が49ヶ所中6ヶ所以上、血沈が30mm/h以上、CRPが2.0mg/dL以上
少なくとも1つのDMARD(抗リウマチ薬)を投与されたことがある
→要は、少なくとも1つの抗リウマチ薬で治療されたにも関わらず活動性が高い、とういことですね。