アクテムラの効果:メトトレキサート併用vs非併用
アクテムラの投与方法
上記の患者さんを、
ADD-ON群:MTXを継続し、アクテムラを追加併用する(=MTX+アクテムラ)
SWITCH群:MTXを中止し、アクテムラへ変更する(=アクテムラ単剤)
の2つのグループに分けました。
アクテムラは点滴投与(8mg/kg)で、4週間毎の投与です。
結果
患者さんの合計は223人で、ADD-ON群118人、SWITCH群115人となりました。
主要評価項目である24週時点でのDAS28寛解率は、ADD-ON群で69.6%、SWITCH群で55.0%であり、ADD-ON群の方が優れていました。しかし、52週後まで継続するとADD-ON群で72.2%、SWITCH群で70.3%と有意な差はなくなりました。
SDAI、CDAIの寛解率は2群間で差はなく同等でしたが、DAS28寛解率と同様の傾向を示しました。
ACR20/50/70も2群間では有意差はなく同等でしたが、差はないもののADD-ON群が若干よい傾向でした。
*DAS28/SDAI/CDAI、ACR20/50/70についての説明はこちら
レントゲン上の進行については、mTSSというスコアリングで0.5以上の進行がなければ機能的寛解という状態ですが、これを達成していた患者さんの割合は、ADD-ON群で66%、SWITCH群で64%と同等でした。ただし、機能的寛解を達成した割合で見ると同等でしたが、進行度でみると、SWITCH群の方が進んでいたという結果でした。特にCRPが高いままであった患者さんほど進んでいたようです。
有害事象については、少なくとも1つ以上の有害事象を経験した患者さんの人数は、ADD-ON群の方が多かったです(60.0% vs 45.0%)。これはADD-ON群の方が使用薬剤が多い(MTXを併用するため)ので当然ですね。ADD-ON群で多かった有害事象は肝障害ですね。確かにMTX+アクテムラを使用したときによく経験する有害事象です。ただし、重篤な有害事象を起こした割合については同等でした。