母性内科プロバイダーを取得しました
私事ですが、ご報告させていただきます。
母性内科学会が認定する「母性内科(膠原病分野)プロバイダー」という資格を取得しました。
と言われても、「どんな資格?」「母性内科って何?」だと思います。
まず、母性内科について。母性内科とは、妊娠期を中心に妊娠前から出産後にかけての内科的疾患の治療や将来の疾病予防と健康管理を目的とした分野です。つまりは、内科疾患を持っていてもスムーズに、安全に妊娠・出産できるよう、妊娠前から出産後に渡って診療する分野です。
例えば関節リウマチの方の場合、7割の方が内服しているメトトレキサート(リウマトレックスやメトレート)は妊娠・授乳中は内服できません。また、妊娠までに疾患活動性を抑えておかないと、妊娠中にも活動性が高いままになってしまい関節破壊は進行します。ですので、妊娠前にどのような治療で病気の勢いを抑えておくか、妊娠中はどのような治療内容にするか、または妊娠はいつであれば可能なのか、といった様々な問題が生じてきます。
一般的に、内科医は内科疾患には当然強いですが、妊娠によって起こる体の変化はあまり強くありません。反対に、産婦人科医は妊娠関連のことには強いですが、内科疾患には強くありません。この間を埋めるのが母性内科という分野です。
様々な診療科の内科医と産婦人科医が協力して、母性内科学会という学会を立ち上げました。
そして母性内科プロバイダーというのは、その母性内科学会が認定している専門医資格のようなものです。内科疾患といっても様々ありますので、その中でもどの分野を専門としているのかを( )の中に表記しています。私の場合は膠原病です。ですのでこの資格は、膠原病をお持ちの方、もしくはそのパートナーの方の妊娠前から出産後の膠原病の管理についての専門性をもっています、ということを表すための資格です。
私は勤務医時代に上司からこの分野の重要性を教わり、勉強を続けてきました。そして今年からこの資格制度が始まったので、資格をとりました。診療科と診療科の狭間の領域はどうしても診れる医師は少なくなります。特に治療の進歩によって膠原病をお持ちの方でも妊娠・出産できる方は今後増えていきます。こういった方のお役に少しでも立ちたいと思っています。
当院はセカンドオピニオン専門ですが、妊娠に向けた治療方針や妊娠中・授乳中の管理について、患者さんと主治医の先生をサポートします。将来妊娠を考えておられる方はぜひ一度当院へご相談ください。