高安動脈炎に対するアクテムラ

まとめ

結果に記載したように、残念がら当初の目標は達成しませんでした。これは、①試験に参加した患者さんが少なかった、②再燃の定義がまだ定まっていない、などの理由が挙げられています。

たしかに、図を見ると差があるように見えます。もっと多くの患者さんで比較すれば差が出るかもしれないというのは確かに頷けます。

また、再燃の定義というのもあるかもしれません。高安動脈炎に対して生物学的製剤の効果を検証した試験はこれが初めてです。したがってこういった試験の際にどういった再燃の定義を用いるかというのはまだ定まっていません。実際、今回の試験でも別の再燃の定義を用いて比較すると有意差がついています。

こういった理由で有意差は出なかったものの、この試験結果は一流雑誌に掲載され、保険適応にもなりました。これは実際にアクテムラを使用している私たち膠原病内科医(膠原病内科医だけでなく、循環器の先生も高安動脈炎の患者さんを治療されています)の実感としてアクテムラは効く、という印象を持っていることも裏付けとなっていると思います。

アクテムラが高安動脈炎に対して保険適応となったのは非常に有意義なことだと思います。

*当院では、ホームページのブログなどで定期的に情報を発信しています。LINE公式アカウントやFacebook、Twitterなどをフォロー(友だち追加)して頂ければブログなどの更新情報を受け取ることが可能です。ページ下方のボタンから是非フォロー(友だち追加)をお願いします。

ブログ記事一覧へ戻る
トップページへ戻る

骨粗鬆症

前の記事

骨粗鬆症の基本①
骨粗鬆症

次の記事

骨粗鬆症の基本②