安定期のSLEに対する少量ステロイド

結果

合計124人の患者さんが登録され、継続群が61人、中止群が63人であった。

主要評価項目である52週時点でのSELENA-SLEDAIを使用した再燃率は、継続群で7%・中止群で27%と中止群に多いという結果でした。

次に副次評価項目を見てみます。

BILAGを使用した再燃率も、継続群で7%・中止群で27%と中止群に多い結果でした。

再燃の重症度です。SELENA-SLEDAIでの軽症/中等症の再燃は継続群で3人・中止群で12%と中止群で多い結果でした。一方で重症の再燃を見てみると継続群で1人・中止群で5人であり有意な差はありませんでした。BILAGでの再燃率は、中等症/重症の再燃については中止群の方が多い結果でした。

再燃の内容を見てみます。

継続群では関節炎4人・皮膚症状2人・腎炎1人・粘膜潰瘍1人、中止群では関節炎12人・皮膚症状7人・腎炎2人・粘膜潰瘍1人・心膜炎1人・緊張性昏迷1人・脳神経障害1人・血小板減少1人でした。

継続群では、再燃に対してPSL5mg以上の投与を3人で行い、免疫抑制剤を開始した患者さんが1人いました。中止群では、PSL5mg以上の投与を12人で行い、免疫抑制剤の開始が4人でした。

SLICC障害度数でみた臓器障害発生率は両群間で差はありませんでした。

活動性のマーカーとして血液検査で確認できる、抗DNA抗体(高いと活動性が高い)、C3(補体、低いと活動性が高い)についてです。これらの値や、抗DNA抗体上昇者の割合、C3低下者の割合はいずれの群でも経過観察中に変動はありませんでした。

有害事象

有害事象の発生は両群ともにほぼありませんでした。