骨粗鬆症治療に対するイベニティの効果

今回は骨粗鬆症治療薬のイベニティについてご紹介します。

骨は、骨を作る骨芽細胞と骨を壊す破骨細胞のバランスで保たれています。骨芽細胞の働きが弱くなったり、破骨細胞の働きが強くなるとこのバランスが崩れ、骨粗鬆症の状態になります。

従来の骨粗鬆症治療薬は、骨を作るのを助ける薬または骨が壊されるのを防ぐ薬のどちらかでした。今回ご紹介するイベニティ(一般名:ロモソズマブ)という薬は両方の働きを持っており、効果も高い薬です。

関節リウマチの患者さんは骨粗鬆症の併存も多く、骨粗鬆症に対するケアも重要です。

 引用元:N Engl J Med. 2017; 377: 1417

お急ぎの方は3ページ目のまとめをご覧下さい。

対象患者さん

・55〜90歳の閉経後女性
・大腿骨の骨密度のTスコアが−2.5以下 または 脊椎圧迫骨折の既往
 (重度の骨粗鬆症という意味合いです)

イベニティ投与方法

イベニティ群:試験開始〜12ヶ月は月1回イベニティ210mgを皮下注射、12ヶ月から36ヶ月はアレンドロネート(ビスフォスフォネート製剤)を週1回内服
アレンドロネート群:試験開始から36ヶ月までアレンドロネートを週1回内服

評価項目

主要評価項目:24ヶ月経過時点での新たな脊椎圧迫骨折の発生
副次評価項目:12ヶ月・24ヶ月時点での腰椎・大腿骨の骨密度