難病認定(特定医療費助成制度)①

今回は病気自体のことは少し離れて難病認定の話をします。

昨年度はコロナの影響で更新手続きをスキップして認定が延長されましたが、今年度は例年通り更新手続きが必要で、いよいよそのシーズンになってきました。

私たちが専門としている病気の多くは難病に指定されている病気ですので、このシーズンになると大量の更新書類の依頼が来ます。患者さんにとっても、今年も認定がおりるのかどうか非常に重要で不安な時期です。そんな時にいかにうまく主治医の先生に診断書作成に役立つ自分の病状を伝えるか、について2回に分けて説明します。

まず今回は制度の概要についてです。

難病の制度とは

まず難病の制度についての説明です。有病率が低い稀な病気で、根本的な治療法がない病気が難病に指定されてれており、そういった患者さんに対して医療費を補助する制度です。

以前は難病と診断されれば、申請をするだけでだれでも医療費はかからない、という制度でしたが今は条件が変わりました。今は、難病と診断されて、ある一定の重症度を満たせば、医療費の一部を補助してくれる制度に変わりました。その分、難病に指定された病気の数が増えています。

医療費補助の内容

医療費の一部と書きましたが、具体的にどのように補助してくれるかです。

自己負担割合が減る:3割→2割

通常、医療費の自己負担は3割ですが、難病の認定証をお持ちの患者さんは2割負担で済むようになっています。

*医療保険には重複した場合にどれを優先するかというのが決まっていて、例えば高齢者医療制度で既に1割負担になっている人に、難病の制度でさらに自己負担割合が減る、といったことはありません。

自己負担上限額が設定される

それから、自己負担額の上限を設定してくれるので、月の医療費がある一定の上限額に達した場合はそれ以上は自己負担で払う必要はありません。自己負担上限額は収入によって変わりますが、一般的には月1万円または2万円となることが多いようです。ご自身の場合いくらになるか詳しくはこちら(難病センターホームページ)をご覧下さい。この上限額は1つの医療機関・薬局につき、ではなく、1ヶ月の間に難病を理由に受診した医療機関・薬局全て合わせての上限額です。

自己負担上限額があると言っても、毎月1万や2万の額がかかり続けるのは大変な負担です。そういった場合に、「高額かつ長期」という制度があります。これは、1ヶ月あたりの医療費総額(自己負担額ではなく、10割の金額)が5万円(2割負担の方であれば自己負担額が1万円)かかる月が年6回以上ある場合は1ヶ月あたりの上限額がさらに下がるという制度です。生物学的製剤やプログラフをはじめ高額な薬を使用している場合はこれに該当することが多いです。

重症度を満たさないけど医療費はたくさんかかっている場合

重症度は満たさず病気は安定している状態でも、高額な治療を行っているためにやっとその状態を保てている、という場合も多くあります。こういった場合の救済制度として、「軽症高額」という制度があります。

これは、月の医療費総額(自己負担額ではなく10割の額)が33,330円以上かかった月が申請月以前の12ヶ月以内に3回以上あった場合が該当します。これに該当する場合は重症度を満たしていなくても認定してくれます。

軽症となって認定は外れてしまったけど、今後のために高額な治療を提案されている場合などは、一度過去の医療費がいくらかかったか確認してみて下さい。もしこれに該当しなくても、最初の3ヶ月間がんばって医療費を払って3ヶ月後に申請すればまた認定がおりて医療費の補助を受けることができます。こういったことも頭に入れておくといつか役に立つかもしれません。

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