リンヴォック単剤の効果
今回はリンヴォックについての話題です。メトトレキサート(リウマトレックス、メトレート、以下MTX)が併用できないときはどうしても生物学的製剤やJAK阻害薬の効果は併用したときと比べて劣ってしまいます。そういった場合は、併用できない時でもなるべくその効果の下がり幅が少ない薬剤を選択します。
今回はそういった際の選択の参考になる論文についてご紹介します。
SELECT-MONOTHERAPYという試験で、JAK阻害薬であるリンヴォックをMTXを併用せずに使用した場合の効果について検討しています。
お急ぎの方は3ページへ飛んで、まとめをご覧下さい。
目的
MTXで効果不十分な関節リウマチ患者さんに対して、MTXからリンヴォックへ変更した場合と、MTXを単独で使用継続した場合とでの効果と安全性を比較する。
対象患者さん
・18歳以上
・2010年の関節リウマチ分類基準(≒診断基準)を満たす
・MTXによる治療にも関わらず、
66関節中、6関節以上の腫脹
68関節中、6関節以上の圧痛
CRP≧3mg/dL
の活動性がある
・MTXによる治療を3か月以上受けており、直近4週間で投与量の変更がない
・以前に生物学的製剤やJAK阻害薬の投与歴がない