リンヴォックとオレンシアの比較

有害事象

リンヴォックの方が数字上は重篤な有害事象がやや多かったという印象です(3.3% vs 1.6%)。帯状疱疹についてはいずれの群でも4名ずつ発症しています。

有害事象の中で特筆すべきことは、肝障害と深部静脈血栓症です。

肝障害はリンヴォック群で23名(7.6%)であるのに対してオレンシア群では5名(1.5%)でした。重篤なものは起きていませんが、やはりこれは内服薬のデメリットですね。

深部静脈血栓症はリンヴォック群で2名(0.7%)、オレンシア群では0名でした。この結果のみではオレンシアに対してリンヴォックでより注意すべきとまでは言えませんが、以前からJAK阻害薬では深部静脈血栓症に注意する必要があるかもしれないということは言われています。

まとめ

以上の結果から、12週時点においては臨床的効果はリンヴォックが優れていると言えると思います。ただし、肝障害と深部静脈血栓症については注意する必要があります。

一方で、注意しないといけないのは今回の検証は12週時点においての効果を検証したものだということです。観察は24週間行っていますので、24週時点のデータを見てみるとこの差は縮まっています。つまり、オレンシアは効果の発現が遅く12週時点ではまだ十分な効果を発揮できていない、ということです。実際に経験上もオレンシアは他の製剤に比べて効果発現はゆっくりな印象を持っています。

色々と示唆に富む試験だと思います。

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