リンヴォックの効果

ウパダシチニブを飲んだ患者さんで3ヶ月後にACR20を達成した人が71%ですので、良い結果ですよね。ACR50やACR70も、いずれも飲まなかった人に比べてよい成績です。もちろん、寛解率や骨破壊の進行についてもウパダシチニブを飲んだ患者さんでよい成績でした。

さらに今回の論文のポイントは、アダリムマブ(ヒュミラ:生物学的製剤)を使用していた患者さんと比べてもよい成績であったという点です。今までのJAK阻害薬は、生物学的製剤と同等であるという成績は出せたものの、生物学的製剤よりも優れているというはっきりとした結果は出せていなかったので、これは重要なポイントと思います。

以前のガイドラインでは、メトトレキサートで効果不十分の場合は、生物学的製剤またはJAK阻害薬を考慮するとされながらも、但し書きで使用経験上、生物学的製剤を優先するというようなニュアンスで書かれていましたが、2019年のガイドラインではその但し書きは外れ、生物学的製剤とJAK阻害薬は同等に書かれるようになったので、今回の結果とも合わせて、JAK阻害薬を積極的に使うような背景が整ってきたように思います。

ただし、良い点ばかりではなく、やはりこれまでのJAK阻害薬と同様に、帯状疱疹には注意が必要です。特に日本人では注意する必要があるというのは以前から知られています。帯状疱疹の不活化ワクチンがもう少し使いやすくなるのが待たれますね。

治療薬

次の記事

治療薬の選び方