寛解後に中止するのはエンブレル?リウマトレックス?

まとめ

以上のように、リウマトレックスとエンブレルで寛解が得られた場合、エンブレルを中止するよりもリウマトレックスを中止する方が、より高い寛解維持率を得られました。これは、両者をそのまま継続するのと比べてそれほど遜色ない結果です。

ただし、注意しないといけないのは、今回は臨床的寛解・構造的寛解・機能的寛解の3つの寛解のうち、臨床的寛解しか評価されていませんので、この結果を以て直ちに寛解後はリウマトレックスをやめてエンブレルのみを続けるのがよい、とはなりません。また、今回中止した薬剤は少しずつ減らしていきながら中止したのではなく、一気に中止しています。この中止の仕方によっても結果は変わってくるかもしれません。

生物学的製剤やJAK阻害薬の登場により、関節リウマチは多くの患者さんで寛解を達成することができるようになりました。そうなると、次の悩みとして寛解後に薬を減らすことはできないかと考えるようになりました。多くの患者さんはやはり経済的な理由で生物学的製剤を中止することを希望する方が多いです。しかし一方で処方する医師としてはできればリウマトレックスを中止したいと思っている人も多いと思います。

いずれを中止するのかは、今回ご紹介したような医学的側面に加えて、経済的な側面など様々な面から患者さんと医師・医療従事者とで相談して決める必要がありそうです。

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