寛解後に中止するのはエンブレル?リウマトレックス?

結果

371人の患者さんが登録されましたが、そのうち条件を満たした253人が3群に分けられ、MTX単剤群101人、ETN単剤群101人、併用継続群が51人となりました。罹病期間は各群の平均が9.7〜11.0年ですので、比較的病歴の長い方が多いです。

48週間後にSDAI寛解(SDAI≦3.3)を維持していたのは、下図に示されている通り、MTX単剤群(左側)で28.7%、ETN単剤群(真ん中)で49.5%、併用継続群(右側)で52.9%でした。

Arthritis Rheumatol. 2021; 73: 759より

主要評価項目である、MTX単剤群とETN単剤群の比較では優位にETN単剤群の方が寛解を多く維持できていました。また、MTX単剤群と併用継続群を比べても優位な差を持って併用継続群が優れていました。

つまり、リウマトレックスをやめる群(ETN単剤群)とエンブレルをやめる群(MTX単剤群)との比較では、リウマトレックスをやめる方(ETN単剤群)が寛解が維持できる、ということです。また、エンブレルをやめる群(MTX単剤群)と併用を継続する群(併用継続群)では併用を継続するほうが寛解を維持できる、ということです。リウマトレックスを中止する群(ETN単剤群)と併用継続群との間の差は検討されていませんが、さほど大きな差があるようには見えません。

当初のSDAIが高い、リウマトイド因子陽性、抗CCP抗体陽性などの特徴をもつ方では寛解を維持しにくかったようです。また、BMIが高いことも同様の影響を若干与えたようです。

薬剤中止により、途中で関節リウマチの病勢が悪化した患者さんでは、中止した薬剤を再開しました。再開後は70〜80%の患者さんで試験終了時までに再度SDAI寛解が得られました。また、90〜100%の患者さんで試験終了時までに低疾患活動性に到達しました。

安全性については、過去の報告と比べて新たなものは見出されませんでした。