寛解後に中止するのはエンブレル?リウマトレックス?

今回は関節リウマチの寛解後の減薬・休薬のお話です。

生物学的製剤の登場により寛解が得られるようになった現在では、寛解後には減薬・休薬を検討する、とガイドラインに記載までされるようになりました。

では、減薬するのは生物学的製剤でしょうか、それともリウマトレックスでしょうか。今回はそんな話題をご紹介します。

リウマトレックスと生物学的製剤のエンブレルの併用によって寛解が得られた後、エンブレルを中止した患者さんとリウマトレックスを中止した患者さんとで経過を比較した試験です。

 引用元:Arthritis Rheumatol. 2021; 73: 759

お急ぎの方は3ページのまとめをご覧下さい。

目的

リウマトレックスとエンブレルで寛解が得られた後にリウマトレックスとエンブレルのいずれを中止するべきかを検討しています(SEAM-RA試験)。

方法

リウマトレックスとエンブレルの併用療法を受けている関節リウマチ患者さんで、SDAI≦3.3の寛解状態にある患者さんを対象としました。

まず最初の24週間でリウマトレックスとエンブレルの併用療法を継続した後、次の48週間は以下の3群に分けられました。

リウマトレックス(MTX)単剤群:エンブレルを中止し、リウマトレックスのみの治療を継続
エンブレル(ETN)単剤群:リウマトレックスを中止し、エンブレルのみの治療を継続
併用継続群:リウマトレックス・エンブレルの併用療法を継続

*二重盲検化コントロール試験

評価項目

主要評価項目:2群に分けた後48週間後の寛解維持率(ETN単剤群 vs MTX単剤群)
副次評価項目:48週間後の寛解維持率(併用継続群 vs MTX単剤群)等