コロナワクチン接種を受けてきました

有効性

現時点ではファイザーとモデルナのワクチンがmRNAワクチンとして有名です。これらの有効性は概ね95%前後です。この有効性とはどういう意味でしょうか?100人がワクチンを受けたとすると、95人はコロナ肺炎に罹らず、5人が罹ってしまう、という意味ではありません。正しくは、予防接種を受けた人の中でコロナ肺炎に罹ってしまった人数が、予防接種を受けなかった人の中でコロナ肺炎に罹ってしまった人数と比べると95%少なかった、という意味です。

具体的には、予防接種を受けなかった場合には18,325人中160人がコロナ肺炎を発症しましたが、予防接種を受けた場合には18,198人中8人の発症にとどまっていました。

この有効性95%というのは、様々な病気に対するワクチンの中でもトップクラスに高い数値です。

副反応

ワクチンを受ける際に最も気になるのは副反応です。実際に病気なったわけではないのに副反応による害が起こるかもしれないので当然のことですよね。

接種部位の疼痛は70〜80%程度とかなりの高頻度ですので、これは接種すれば概ね出るだろうと思っておいたほうがいいですね。参考までに一般的なインフルエンザワクチンの場合には出現頻度は10〜22%程度です。

他には頭痛・倦怠感がそれぞれ30%前後、筋肉痛・関節痛が5〜15%程度です。

また副反応は1回目の投与よりも2回目の投与のほうが若干頻度が増えるような印象です。

重篤なものではアナフィラキシーがあげられます。これは概ね20万人に1人程度と言われています。ただ、こういった数値で言われてもピンと来ませんので、比較するのがわかりやすいと思います。一般的なワクチンでは概ね100万人に1人、抗生物質であるペニシリンは5000人に1人と言われています。ワクチンの中ではやや多いのかもしれませんが、ペニシリンに比べると遥かに少なく、一見それほど重大にはとらえなくて良さそうです。ただし、厚生労働省の発表では180,741人に接種した中、37人にアナフィラキシーが起こっている(2021年3月11日時点)ので、臨床試験よりも頻度は多そうです。また37人中35人は女性です。日本人女性には起こりやすいのかもしれません。

ただし、日本の看護師総数は医師の4倍おり、看護師の90%以上は女性です。つまり予防接種を受けた人の中で女性の割合はかなり高いと思われますので、本当に女性に起こりやすいかどうかは解釈に注意が必要です。また、どの程度のアレルギー反応をアナフィラキシーと定義するかによっても頻度は異なってきますので、アナフィラキシーを論ずるにはしっかり検討する必要がありそうです。

また、開発から間もないため、まだ我々がつかめていない副反応もないとは言い切れませんので、この点も注意は必要ですね。

筋肉注射

日本人には予防接種が筋肉注射というのは違和感があるかもしれません。日本では予防接種は皮下注射ですからね。しかし、世界では不活化ワクチンの予防接種は筋肉注射が標準です。これは接種部位の疼痛が少なく、有効性も上がるから、と言われています。