シムジアの休薬

まとめ

この結果をどう解釈するかです。この試験はあくまでシムジアを休薬した群と、当初からMTX単独で治療していた群を比較した試験です。ですので、この試験から言えるのは、発症早期の患者さんでは、1年間でもシムジアを併用する価値はある、という点です。決して1年後にシムジアを休薬しても大丈夫ということが確認できたという結果ではありませんし、それを確認するために組まれた試験でもありません。

では、休薬できるのかという視点で見てみます。

シムジア休薬群の2年完了時でのSDAI寛解達成率は55.6%(108人中60人)ですので、シムジアを休薬した場合、半分近くは寛解を維持できなくなります。発症早期の方でいきなりMTX+シムジアという強力な治療をして半分弱ですので、発症から時間が経過してから治療を開始し、通常通りの段階的な治療をしていた場合には、もっと可能性は下がると考えられます。

実際の現場では、やはり休薬を考えるのはシムジアによってしっかり活動性が抑えられている場合のみです。寛解が達成できていない場合は現実的には休薬はあまり考えません。そういった視点でみると、シムジアを1年使ってSDAI寛解の状態の方86人を母数として、シムジアを休薬して試験完了しても寛解が維持できていた方の割合を見てみると、60人/86人中で、69%です。つまり、シムジアで寛解状態になった状態で休薬すれば、さらにその1年後に寛解を維持している可能性は69%ということです。

やはり生物学的製剤の休薬というのは、十分に活動性が抑えられたときのみ考えることができる、というのが現状ですね。しかし、そのためには発症からなるべく早めに治療を開始し、強力に病気の勢いを叩いておくことがポイントであるということを教えてくる論文でもあります

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