SLEに対するベンリスタの効果

結果

867人の患者さんが登録され、ベンリスタ1mg/kg群に289人、ベンリスタ10mg/kg群に290人、プラセボ群に288人が割り当てられました。

まず主要評価項目について見てみます。以下、保険適応投与量である10mg/kg群を主に見ていきます。

52週時点でのSRIをみると、その達成率はプラセボ群が44%であるのに対して、ベンリスタ10mg/kg群では58%と、有意によい結果です。この傾向は16週頃から見られています。

次に副次評価項目について見てみます。

52週時点でのSELENA-SLEDAIスコアの改善について見てみると、4点以上の改善が見られている患者さんの割合はプラセボ群で46%に対して、ベンリスタ10mg/kg群では53%と、これもベンリスタ群で有意に多い結果でした。

PGAの悪化が見られなかった患者さんの割合も、プラセボ群で69%、ベンリスタ10mg/kg群で79%とこれもベンリスタ群で有意に多い結果でした。

BILAGの悪化がない(Aの出現がない、Bの出現が1個以内。詳しくは評価項目の注釈を参照)患者さんの割合も、プラセボ群で73%に対して、ベンリスタ10mg/kg群で78%で、これもベンリスタ群で有意に多い結果です。

40〜52週時点で、プレドニゾロンの投与量が7.5mg以下に減り、かつ25%以上減量できた患者さんの割合はプラセボ群で12%、ベンリスタ10mg/kg群で21%と、ベンリスタ群で有意に多い結果でした。

他に、補体や抗ds-DNA抗体価もプラセボ群に対してベンリスタ群で改善が見られました。

他にも様々なデータが記載されていますが、詳細は省略します。

有害事象

有害事象の発生率は3群で特に差はありませんでした。関節リウマチで使用される生物学的製剤は感染症に注意が必要ですが、ベンリスタの場合は、感染症の発生率は3群で差はありませんでした。注射部位反応、血液検査異常についても3群で差はなく、ベリムマブの使用によって増加する有害事象は目立ったものはありませんでした。