ループス腎炎に対するベンリスタの効果

評価項目

主要評価項目104週時点での治療反応性(尿蛋白≦0.7g/gCr、eGFR(≒腎機能)20%以上の悪化がないまたは60以上、治療失敗に対するレスキュー治療を行っていない)
副次評価項目:104週時点での完全寛解(尿蛋白≦0.5g/gCr、eGFR10%以上の悪化がないまたは90以上、レスキュー治療なし)、52週時点での治療反応性(主要評価項目の基準と同じ)、腎関連イベント発生または腎死(透析への移行)までの期間

24週時点までにステロイド(プレドニゾロン)が10mg以下となり、104週まで10mg以下を維持することとされており、これを満たさなければ治療失敗と判定されます。

結果

標準治療群に223人、ベンリスタ群に223人が割り当てられました。

まず、主要評価項目についてみてみます。治療反応性が認められたのは、標準治療群で72人(32%)、ベンリスタ群で96人(43%)で、2群間には有意差を認めました

副次評価項目では、同様の治療反応性を52週時点でみていますが、これも標準治療群で79人(47%)、ベンリスタ群で104人(47%)とベンリスタ群で有意に多いという結果でした。これらの傾向は24週時点から見られ始めました。

104週時点での完全寛解については、標準治療群で44人(20%)、ベンリスタ群で67人(30%)とこれもベンリスタ群で有意に多い結果でした。

腎関連イベント・腎死についても、ベンリスタ群の方がリスクが低い、という結果になりました。

また、セルセプトによる治療を受けた人とエンドキサンによる治療を受けた人で分けてみる追加解析がされています。それによると、セルセプトによる治療を受けた人では、完全寛解率はベンリスタ群が標準治療群より優れている一方で、エンドキサンによる治療を受けた人では、ベンリスタ群と標準治療群とで差は認めませんでした。

安全性

安全性については、ベンリスタ群と標準治療群とで差はありませんでした。