早期関節リウマチに対するヒュミラの効果
今回は、早期関節リウマチ患者さんに対するヒュミラの効果について説明します。ヒュミラはTNF阻害薬に分類される生物学的製剤です。
以前、シムジアについてご紹介したときに、治療開始時からいきなり使用できる生物学的製剤はシムジアとヒュミラの2剤だけと説明しました。以前はシムジアについて取り上げましたので、今回はヒュミラについて説明します。
HOPEFUL-1試験の結果についてご紹介します。この試験は、後にヒュミラを休薬し、休薬後3年間にわたって経過をみており、非常に壮大で有意義な試験です。今回は早期関節リウマチ患者さんに1年間使用した結果についてご紹介し、休薬については追々取り上げていきます。
また、この試験は日本で行われたものです。
引用元:Ann Rheum Dis. 2014; 73: 536.
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目的
メトトレキサート(リウマトレックス、メトレート、以下MTX)や生物学的製剤による治療歴がない早期関節リウマチ患者さんに対して、MTX+ヒュミラによる治療の効果と安全性について検討する。
対象患者さん
・20歳以上
・1987年の分類基準(≒診断基準)を満たす
・罹病期間≦2年
・圧痛関節≧10関節
・主張関節≧8関節
・CRP≧1.5mg/dL または 血沈≧28mm/h
・1ヶ所以上の骨びらんがある または リウマトイド因子(RF)陽性
→発症早期で関節破壊進行のリスクの高い患者さんが主な対象です。